実利用者研究機構、11月9日(119番の日)に、救急救命に特化した支援ツールを制作
〜11月20日にWEB上から無償配布を開始〜
内閣府認証 特定非営利活動法人 実利用者研究機構(事務局:東京都千代田区、理事長:横尾良笑、以下実研)は、2014年11月9日急患の日に、急患用コミュニケーションボードのβ版をリリース、20日より、WEBページ上での無償配布を開始いたします。
ダウンロードURL
http://jitsuken.com/press/communication_board_kyukan_20141120.pdf
医療に置けるサービスの質は年々向上しつつあるが、聴覚障がい等、一部の病院利用者にとっての環境は、まだまだ深刻な状態にあります。本コミュニケーションボードは、有志のボランティアが中心になって立ち上げた情報保障研究チームが、実研による支援の元、制作いたしました。情報保障研究チームは、半数が聴覚障がい当事者で構成されています。制作に当たっては看護師や救急隊員等の医療従事者の協力も得ながら、現場での実用性を重視し、制作されました。今後、医療機関からの協力を得てモデル事業を実施、現場での検証を行い、来年度中の正式リリースを目指します。
今後、医療の質向上と患者のQOL(クオリティオブライフ)向上のため、モデル事業に協力しても良いという医療機関の方は、是非以下の連絡先までご一報ください。
コミュニケーションボードについて
2014年11月20日にWEB上から無償配布を開始
・PDFでのダウンロード
http://jitsuken.com/press/communication_board_kyukan_20141120.pdf
・ZIPファイルでのダウンロード
http://jitsuken.com/press/communication_board.zip
※画像クリックすると拡大してご覧いただけます
■急患用コミュニケーションボードの活用場面
・急患や、その家族、医療従事者等、救急救命にかかわる重要な人物が
聴覚障がい者、失語症や構音障がいの方の他
一時的に話せない状態の健常者等も含め、
医療現場でのコミュニケーションに不安のある場面
■急患用コミュニケーションボードを利用して頂きたい人
・救急隊員、看護師、医師等の医療従事者で、コミュニケーションが取れにくい患者と対応する人。
・ 医療現場でのコミュニケーションに不安のある急患
・患者の家族側で、医療現場でのコミュニケーションに不安のある方
(聴覚障がいのある夫婦の赤ちゃんが急患で運ばれたようなケース)
■急患用コミュニケーションボードの利用によるメリット
・コミュニケーションボードを使用することで、聴覚障がいをもつ患者や家族が、
救急隊や医師からの呼びかけや説明を十分に把握することができる。
・医療関係者にとっても患者の応答を得ながら適切な処置を早く行うことができる。
・聴覚障がい者に限らず、一時的に話せない状態の健常者や失語症や構音障がいの方、
日本語を理解できない外国人(※)といった急患にも使用できる。 ※外国人用は今後展開予定。
■急患用コミュニケーションボードで解決を目指す課題
急患の聴覚障がい者やその家族は、救急隊や医師からの呼びかけや説明が十分に理解
できないことがあり、現在の状況やこれからどのような処置が行われるかがわからず
不安になる。
一方、救急隊や医師は一刻も早い搬送や処置が必要なため、患者からの応答を早く求めたい。
しかしながら現在は、このようなお互いの課題を解決できるコミュニケーションの手段が確立
されていない。
■急患用コミュニケーションボードの使用方法
・救急隊、医師、看護師等がシート内の質問を指し示し、聴覚障がいをもつ急患や家族が
当てはまる回答項目を指さして答える。
・項目にないものは筆談で受け答えをする。
・救急車で使用した場合は、記録としてシートをそのまま医師に渡す。
→急患に同じ質問を繰り返す必要がなくなるため、患者の負担が減るとともに、
医療関係者より早い対応と処置が行える。
・A3両面印刷での使用を想定している。
実利用者研究機構内 情報保障推進チームについて
1. 背景
・実研は、ユニバーサルデザイン業界の抱える複雑な問題の根本的な解決を図るべく、基盤研究をはじめ、運用システムの構築、ガイドライン・制度化におけるコンサルテーション、ユニバーサルデザインコーディネータ(以下、UDC)をはじめとする人材育成など、ユニバーサルデザイン発展のために、活動を行ってきた。
・2013年5月より、聴覚障がいのあるUDC受講生の体験をきっかけに、研究チームが立ち上がり、医療機関受診時の情報保障ツールやガイドラインを作成するプロジェクトを開始した。
2.活動の概要
1)情報保障を受ける側だけで無く、行う側にとっても価値の有る情報保障ツールの制作
・今後、情報保障ツールやガイドラインなど、UDコーディネートの手法を活用し、単なる、一方的なツールやガイドラインにならない様に、救急現場や病院での試用や改善などにより実使用者である医療関係者にとっても、患者にとって使いやすいものを目指す。
2)病院にとっても、「誰もが安心して、病院にかかれることができる社会」の実現に貢献する、参加型の活動形態
・視覚障害者だけでなく上手く意思を伝えられない人や高齢者、病気で意識がはっきりしない人にとっても使いやすいものに改善していく。
また、当事者不在を排し、障がい当事者だけでなくその家族や医療従事者も含めた参加型の活動とすることで、より実用的で効果的なものを目指す。
3)教育ツールも開発し、医療関係者やサポートする人、当事者家族などの教育プログラムの開発と提供
・一過性のブームで終わりにならないよう、様々な人に対して教育プログラムを提供するための教材とプラットフォームの構築を目指す。
■本リリースならびにご取材に関するお問い合わせ
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実利用者研究機構内 情報保障推進チーム 担当:山口 E-mail:info@unibiz.org
電話:03-6666-8925、ファックス:03-6666-8926、 URL:http://jitsuken.com/
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